いしとみ(神奈川県小田原市酒匂)
「チャーシューワンタンメン」



いやいやこの一杯はすごい。いろんな意味ですごい。
綺麗な店ではないけれど、店内はお客で賑わい、皆がボリュームたっぷりの一杯を楽しんでいました。
大きな寸胴の中には大量のチャーシューの煮汁。そこから醤油の部分と表面のラードの部分をすくって丼に注ぐ。
ここからがこの店らしさ。
旨味調味料には色々な種類があります。ここではおそらく3種類の旨味調味料を駆使しています。それもティースプーンで5杯ほど。バサバサと丼に放り込み、その後にかなり透き通ったスープを注ぎ、麺をたっぷりと、具も華やか。
届けられた丼はかなり大きく、大盛りと言ってもよいほどのボリューム感。
スープ自体の味わいは薄い動物系で主張しないのですが、そこに肉の旨味をたっぷりと含んだチャーシューの煮汁とラードが存在感を示しており、そこにグルタミン酸、イノシン酸などの旨味成分が混ざり合うことで完成されています。かなりの化学調味料が入っているのですが、そこまで嫌味はなく、素直に旨いと言えるストレートな味わい。
麺を引きずり出すと、手切りのようなランダム感のある仕立てで、多加水ということもあって、透明感のあるもの。かなり柔らかく茹でられているので、全く歯に抵抗感がなく、チュルンと唇を滑った後の柔らかな食感に思わず笑みがこぼれました。スープの旨味や、ラードを纏った麺の味わいは、シンプルでありながら、中毒性を感じさせるもの。
チャーシューはモモ肉、バラ肉のミックスで、モモ肉は肉の繊維を噛み千切るようなワイルドな食感と、肉の旨味と醤油の味が楽しめるもので、バラ肉は脂身の柔らかさと肉のホロホロとした柔らかな食感と、両極の味わいを楽しむことができます。チャーシューメンにしないのは損と言い切ってもいいかも知れません。
ワンタンは薄めの皮に程よい餡の量。プルンとした舌触りが良く、スープと一緒にすすりこめばまた違う印象を楽しむことが出来ます。
この一杯には胡椒がとてもよく合います。一振りするとかなりの量が出てしまいましたが、旨いことには関係なく。
最後まで飽きずに勢いよく食べ切り、満腹という満足感に浸りながら店を後にしました。
小田原系を色々と食べたくなりました。でも毎回チャーシュー追加してたらお腹がもたないかな。



いやいやこの一杯はすごい。いろんな意味ですごい。
綺麗な店ではないけれど、店内はお客で賑わい、皆がボリュームたっぷりの一杯を楽しんでいました。
大きな寸胴の中には大量のチャーシューの煮汁。そこから醤油の部分と表面のラードの部分をすくって丼に注ぐ。
ここからがこの店らしさ。
旨味調味料には色々な種類があります。ここではおそらく3種類の旨味調味料を駆使しています。それもティースプーンで5杯ほど。バサバサと丼に放り込み、その後にかなり透き通ったスープを注ぎ、麺をたっぷりと、具も華やか。
届けられた丼はかなり大きく、大盛りと言ってもよいほどのボリューム感。
スープ自体の味わいは薄い動物系で主張しないのですが、そこに肉の旨味をたっぷりと含んだチャーシューの煮汁とラードが存在感を示しており、そこにグルタミン酸、イノシン酸などの旨味成分が混ざり合うことで完成されています。かなりの化学調味料が入っているのですが、そこまで嫌味はなく、素直に旨いと言えるストレートな味わい。
麺を引きずり出すと、手切りのようなランダム感のある仕立てで、多加水ということもあって、透明感のあるもの。かなり柔らかく茹でられているので、全く歯に抵抗感がなく、チュルンと唇を滑った後の柔らかな食感に思わず笑みがこぼれました。スープの旨味や、ラードを纏った麺の味わいは、シンプルでありながら、中毒性を感じさせるもの。
チャーシューはモモ肉、バラ肉のミックスで、モモ肉は肉の繊維を噛み千切るようなワイルドな食感と、肉の旨味と醤油の味が楽しめるもので、バラ肉は脂身の柔らかさと肉のホロホロとした柔らかな食感と、両極の味わいを楽しむことができます。チャーシューメンにしないのは損と言い切ってもいいかも知れません。
ワンタンは薄めの皮に程よい餡の量。プルンとした舌触りが良く、スープと一緒にすすりこめばまた違う印象を楽しむことが出来ます。
この一杯には胡椒がとてもよく合います。一振りするとかなりの量が出てしまいましたが、旨いことには関係なく。
最後まで飽きずに勢いよく食べ切り、満腹という満足感に浸りながら店を後にしました。
小田原系を色々と食べたくなりました。でも毎回チャーシュー追加してたらお腹がもたないかな。
老郷 本店(神奈川県平塚市紅谷町)
「湯麺」



お店は通りから少し外れていてわかりづらいのですが、到着すると満席で待ちがあるほどの人気で驚きました。
湯麺以外にも麺類はあるのですが、やはりこの一杯で。周りも湯麺を食べている方が多かったです。
届けられた丼にはチャーシューなどの肉類は一切存在せず、あるものは大量のワカメと刻み玉ねぎのみ。
一口スープを飲めば、豚骨を濁さずに採ったと思われるスッキリとした出汁感と昆布の旨味が口の中に広がります。それよりも主張するのがこの一杯の特徴でもある酸味。単なる酢ではなく白ワインの存在も感じられ、フルーティで強めの酸味が印象的。思い出すだけでもよだれが出てきます。卓上にも置いてあるので自由に使えますし、僕はかなりたくさん使いました。これが入ることで完成されるほどにマッチングした調味料かと思います。
麺は無かんすい?真っ白な麺肌が美しいもので、滑らかな舌触り、モチモチとしたソフトな食感が心地よく、柔らかいといえども、しっかりとコシも存在しています。風味もピュアで、打ちたてのような仕上がりがたまりませんでした。
ワカメも邪魔になる状況も多々ありますが、この一杯にはバッチリ合っていますね。スープの味わいと相まって、ワカメスープのような印象すらあり、卓上のラー油をたらすとその印象が更に強くなります。それでも、酸味があるために、オリジナリティが感じられます。玉ねぎも辛味をしっかり抜いてあり、サクサクとした瑞々しい食感が堪らなく、スープと一緒にどんどん口の中へ運んでしまいます。そうこうしているうちに、あっという間に食べきってしまいました。
これだけシンプルな構成ながら、食べ終わったときの強い満足感と満腹感。麺量もしっかりとあり、食べ応えも抜群でした。それでも油のくどさが全く無いので、胃もたれもせず、爽快感を得ることができる一杯だと思います。



お店は通りから少し外れていてわかりづらいのですが、到着すると満席で待ちがあるほどの人気で驚きました。
湯麺以外にも麺類はあるのですが、やはりこの一杯で。周りも湯麺を食べている方が多かったです。
届けられた丼にはチャーシューなどの肉類は一切存在せず、あるものは大量のワカメと刻み玉ねぎのみ。
一口スープを飲めば、豚骨を濁さずに採ったと思われるスッキリとした出汁感と昆布の旨味が口の中に広がります。それよりも主張するのがこの一杯の特徴でもある酸味。単なる酢ではなく白ワインの存在も感じられ、フルーティで強めの酸味が印象的。思い出すだけでもよだれが出てきます。卓上にも置いてあるので自由に使えますし、僕はかなりたくさん使いました。これが入ることで完成されるほどにマッチングした調味料かと思います。
麺は無かんすい?真っ白な麺肌が美しいもので、滑らかな舌触り、モチモチとしたソフトな食感が心地よく、柔らかいといえども、しっかりとコシも存在しています。風味もピュアで、打ちたてのような仕上がりがたまりませんでした。
ワカメも邪魔になる状況も多々ありますが、この一杯にはバッチリ合っていますね。スープの味わいと相まって、ワカメスープのような印象すらあり、卓上のラー油をたらすとその印象が更に強くなります。それでも、酸味があるために、オリジナリティが感じられます。玉ねぎも辛味をしっかり抜いてあり、サクサクとした瑞々しい食感が堪らなく、スープと一緒にどんどん口の中へ運んでしまいます。そうこうしているうちに、あっという間に食べきってしまいました。
これだけシンプルな構成ながら、食べ終わったときの強い満足感と満腹感。麺量もしっかりとあり、食べ応えも抜群でした。それでも油のくどさが全く無いので、胃もたれもせず、爽快感を得ることができる一杯だと思います。
ラァメン家 69’N’ROLL ONE(神奈川県相模原市上鶴間本町)
「ニボニボ+チャーシュー」



今回はデジカメを忘れずにやってきました。開店時間の1時間ほど前に着いたので待ちは0でした。駐車場で寝ていたのでいつの間にか数人待ちができていましたが。
お店は相変わらずの静けさ。ですが、不思議と居心地は悪くないんですよね。人それぞれでしょうが、僕は逆にわくわくしてきます。
本当は2号を頂きたかったのですが、「ニボニボ」が目についてしまい食券を購入してしまいました。全く後悔はしていないんですけどね。
独特な湯切りのあと、丁寧に盛り付けられた一杯が届けられると同時に、鯵干しの香ばしい香りが鼻をくすぐります。
食べる前から期待は高まりますが、味わいもその期待を裏切ることはありませんでした。
一口スープを飲んでみると、鯵干しからの旨味が濃厚ながら嫌味は全く感じさせず、ただ良い香りと旨味だけが引き出された味わいで、多めにかけられた鶏油からは、鶏の甘い香りと全くくどさのない、まろやかな口当たりと深いコクを感じられ、煮干しのスープに厚みを与えており、シンプルな組み立てながら、魚介、鶏のバランスが絶妙な味わいで、どんどんとスープを飲んでしまいました。カエシは醤油ですが、鯵干しからの塩分も考慮して控えめに合わせていますが、醤油感は控えめでも充分に良い香りと塩加減も丁度良く、スープの持ち味をしっかりと生かしていました。
麺は打ちたてのものを使用するようになったとのことで、なめらかな舌触りが心地よく、粉の風味も生きています。やや柔らかめで、食感の持続力は弱めなのですが、それも面白く、スープを吸い込み、強い一体感を持ったときの味わいはなんともいえないものがあります。小さな一杯の中で大きく広がっていく味の世界を感じさせられるよう。途中で大根おろしを崩せば、魚介の風味によく合います。柚子皮のフワリと香る柑橘の香りも良いアクセントになります。
鶏のチャーシューは胸肉で、シットリとした食感と優しい味付け。イベリコ豚を使用したバラ肉のチャーシューは程よい噛みごたえがありながら、脂の融点が低く、サラリと溶けていく脂身もとても旨く、増量して正解でした。
完全な引き算の組み立てのもとに生まれたと思われる一杯で、それでも何も物足りない部分は無く、食後には心地よい余韻を楽しみました。そして、笑顔で「どうも」と挨拶をしてくれる店主の不器用でありながら暖かい人柄を味わい、大満足で店を後にしました。



今回はデジカメを忘れずにやってきました。開店時間の1時間ほど前に着いたので待ちは0でした。駐車場で寝ていたのでいつの間にか数人待ちができていましたが。
お店は相変わらずの静けさ。ですが、不思議と居心地は悪くないんですよね。人それぞれでしょうが、僕は逆にわくわくしてきます。
本当は2号を頂きたかったのですが、「ニボニボ」が目についてしまい食券を購入してしまいました。全く後悔はしていないんですけどね。
独特な湯切りのあと、丁寧に盛り付けられた一杯が届けられると同時に、鯵干しの香ばしい香りが鼻をくすぐります。
食べる前から期待は高まりますが、味わいもその期待を裏切ることはありませんでした。
一口スープを飲んでみると、鯵干しからの旨味が濃厚ながら嫌味は全く感じさせず、ただ良い香りと旨味だけが引き出された味わいで、多めにかけられた鶏油からは、鶏の甘い香りと全くくどさのない、まろやかな口当たりと深いコクを感じられ、煮干しのスープに厚みを与えており、シンプルな組み立てながら、魚介、鶏のバランスが絶妙な味わいで、どんどんとスープを飲んでしまいました。カエシは醤油ですが、鯵干しからの塩分も考慮して控えめに合わせていますが、醤油感は控えめでも充分に良い香りと塩加減も丁度良く、スープの持ち味をしっかりと生かしていました。
麺は打ちたてのものを使用するようになったとのことで、なめらかな舌触りが心地よく、粉の風味も生きています。やや柔らかめで、食感の持続力は弱めなのですが、それも面白く、スープを吸い込み、強い一体感を持ったときの味わいはなんともいえないものがあります。小さな一杯の中で大きく広がっていく味の世界を感じさせられるよう。途中で大根おろしを崩せば、魚介の風味によく合います。柚子皮のフワリと香る柑橘の香りも良いアクセントになります。
鶏のチャーシューは胸肉で、シットリとした食感と優しい味付け。イベリコ豚を使用したバラ肉のチャーシューは程よい噛みごたえがありながら、脂の融点が低く、サラリと溶けていく脂身もとても旨く、増量して正解でした。
完全な引き算の組み立てのもとに生まれたと思われる一杯で、それでも何も物足りない部分は無く、食後には心地よい余韻を楽しみました。そして、笑顔で「どうも」と挨拶をしてくれる店主の不器用でありながら暖かい人柄を味わい、大満足で店を後にしました。
なんつッ亭(神奈川県秦野市松原町)
「らーめん」



さて、遠征最後の一杯となったお店はここ「なんつッ亭」です。有名なので愛知の人でも知っているでしょう。最近ではテレビにも出てましたし、カップラーメンが2種類新発売になっています。
人吉にある「好来」で習得したマー油を使用した熊本とんこつを引っさげて秦野に店を出した当初はとても閑散としていたとのことですが、今では全国的に知られる有名ラーメン店となっていますね。
今回は恥ずかしながら初訪でしたので、基本のラーメンを茹で時間も普通で頂きました。
きれいに白濁したとんこつスープの上には、多いことは無いけれど真っ黒なマー油がかけられています。マー油からといきたいところですが、まずはスープから頂くと、クリーミーかつ、くどさや豚の臭いは控え目で後口は程よく重量感がありながらスムースさも感じられ、上品さを感じるほどに丁寧に作られているであろう仕上がり。そこにかけられたマー油は一口目は僅かな苦味を感じてしまったが、すぐに感じなくなり、香ばしいニンニクの香りと強いコクと旨味をスープに与えて、一口一口にパンチのある味わいで、現在はおとなしくなったとか、あまり良い評判を聞かなかったのですが、実際に食べてみて迷いは晴れました。旨いですよ。
昔の味わいだけでは勝負できないわけです。逆に、味を落としてきているわけではなく、誰もがとても美味しく食べられるように変化させてきたということなんだと僕は思います。マニアにうければ旨くて人気が出るわけでもないし、これもある意味、進化ということになるのかもしれません。
麺も自家製。基本でも硬めの茹で上がりで、サックリと噛み切れる食感の良さがいいですし、臭いもさほど気になりません。スープとの絡みはそれほど良いものではないかもしれないですが。張り紙に書いてあるように、マー油を絡めて食べればもちろん旨かったです。
トッピングのチャーシューは肉肉しさがある仕上がり。モヤシは水っぽさやひげ根の臭いは少々に気にはなりましたが、シャキシャキとした食感は良い箸休めとなりますね。
麺を食べ終えたあと、スープを少し冷ましてみると、表面に油脂やゼラチンの混ざり合った膜が見え始め、そのあたりからスープを飲んでみると、最初とは全く違う感覚で、マッタリと舌に絡みつくような濃度感、濃い甘味を楽しむことができ、冷めてきてもとても旨いバランスのとれた一杯に満足しました。
なんつッ亭は味噌らーめん専門店も出店し、勢いはとまらず全身を続けています。味は変わっていくものだけど、秦野でみた一杯とスタッフの活き活きとした働きぶりは、変わらない真剣さをヒシヒシと感じさせてくれました。
僕は過去の味を知らないけれど、今の味に出会えただけでも嬉しかったと素直に思います。



さて、遠征最後の一杯となったお店はここ「なんつッ亭」です。有名なので愛知の人でも知っているでしょう。最近ではテレビにも出てましたし、カップラーメンが2種類新発売になっています。
人吉にある「好来」で習得したマー油を使用した熊本とんこつを引っさげて秦野に店を出した当初はとても閑散としていたとのことですが、今では全国的に知られる有名ラーメン店となっていますね。
今回は恥ずかしながら初訪でしたので、基本のラーメンを茹で時間も普通で頂きました。
きれいに白濁したとんこつスープの上には、多いことは無いけれど真っ黒なマー油がかけられています。マー油からといきたいところですが、まずはスープから頂くと、クリーミーかつ、くどさや豚の臭いは控え目で後口は程よく重量感がありながらスムースさも感じられ、上品さを感じるほどに丁寧に作られているであろう仕上がり。そこにかけられたマー油は一口目は僅かな苦味を感じてしまったが、すぐに感じなくなり、香ばしいニンニクの香りと強いコクと旨味をスープに与えて、一口一口にパンチのある味わいで、現在はおとなしくなったとか、あまり良い評判を聞かなかったのですが、実際に食べてみて迷いは晴れました。旨いですよ。
昔の味わいだけでは勝負できないわけです。逆に、味を落としてきているわけではなく、誰もがとても美味しく食べられるように変化させてきたということなんだと僕は思います。マニアにうければ旨くて人気が出るわけでもないし、これもある意味、進化ということになるのかもしれません。
麺も自家製。基本でも硬めの茹で上がりで、サックリと噛み切れる食感の良さがいいですし、臭いもさほど気になりません。スープとの絡みはそれほど良いものではないかもしれないですが。張り紙に書いてあるように、マー油を絡めて食べればもちろん旨かったです。
トッピングのチャーシューは肉肉しさがある仕上がり。モヤシは水っぽさやひげ根の臭いは少々に気にはなりましたが、シャキシャキとした食感は良い箸休めとなりますね。
麺を食べ終えたあと、スープを少し冷ましてみると、表面に油脂やゼラチンの混ざり合った膜が見え始め、そのあたりからスープを飲んでみると、最初とは全く違う感覚で、マッタリと舌に絡みつくような濃度感、濃い甘味を楽しむことができ、冷めてきてもとても旨いバランスのとれた一杯に満足しました。
なんつッ亭は味噌らーめん専門店も出店し、勢いはとまらず全身を続けています。味は変わっていくものだけど、秦野でみた一杯とスタッフの活き活きとした働きぶりは、変わらない真剣さをヒシヒシと感じさせてくれました。
僕は過去の味を知らないけれど、今の味に出会えただけでも嬉しかったと素直に思います。